江戸市井作品に登場する地名がどのくらいあるかをデータとして整理しました。藤沢作品には土地の名前が非常に多く登場し、かつ克明に書かれていますが、本所・深川のように地域で表現するケースと、相生町・海辺大工町のように町名をつけて表現するケースの二つのパターンがあります。更に、地名を現す方法として、A町からB町迄の一定の場所を、馬道通・広小路など通りで表現しています。
(川・堀・河岸等もありますがこれらは少し意味合いが異なりますので、別のカテゴリとして整理しています。)
これら地域、町、通等の表現方法は、両国仲町・浅草元町・上野広小路など最初は浅草や両国の如き土地・地域付いていますが、途中からこれらの冠が省略されているケースがかなりあります。同一作品内でも異なった複数の広小路や仲町が登場するケースもあります。これら複数の地域に存在する同一町名の地域名の判別はかなり難しく、混乱をしてしまいます。両国広小路、浅草広小路、単に広小路のようなケースです。
したがって正確性には欠けますが、地域と町名が連続している場合、分離したデータとして整理しています。すなわち、『両国』『浅草』『広小路』の3つのデータとしています。(本来は2つの地域名と3つの広小路の可能性がありますが・・・)但し、門前仲町のような場合は常に町名として登場していますので、分離をしていません。
日本橋・八丁堀などは、地域の地名と使われたり、橋や堀として登場している場合がありますが、一応文章から判断してそれぞれに区分しています。(ここでは地域名・町名として使われている場合のみ対象にしています・・・独断)
中之郷・中ノ郷のように『之・ノ・の』が、同一と思われる地名・町名に混在しているケースがあります。明らかにその場所が同一と思われる場合、勝手に統一しました。この判断は、人文社発行の『江戸切絵図にひろがる 藤沢周平の世界』を参考にして確認しました。又同じ場所でも江戸時代の前、中、後など時期によって文字の使い方が異なっているケースがあるようです。
登場する地域名110余り、町名はなんと330程に及びます。海坂藩の町名数を大きく上回ります。これらは上記の江戸切絵図によりますと、全て実在した地名のようです。想像するに藤沢周平氏は、主人公や脇役を地図の上で、克明に精査しながら、そして楽しみながら??江戸の町中を縦横無尽に走らせているように思えます。但し、しぐれ町は創作した町と思われます。
作品から見た地名その他の詳細な情報は江戸市井作品の町並みを参照してください。
以下をクリックしてご覧下さい
登場する地域名(五十音順) | |
あ行 | 24地域 |
か 〜 き | 13地域 |
く 〜 こ | 6地域 |
さ 〜 た行 | 23地域 |
な 〜 ひ | 16地域 |
ふ 〜 ふ | 2地域 |
ほ 〜 も | 16地域 |
や 〜 ん | 13地域 合計113 |
トップ12 | 多く登場する地域名 |
あ 〜 え | 35町 |
お 〜 か | 36町 |
き 〜 こ | 32町 |
さ 〜 す | 49町 |
せ 〜 た行 | 46町 |
な 〜 ぬ | 25町 |
は 〜 へ | 39町 |
ほ 〜 み | 32町 |
む 〜 も | 12町 |
や 〜 ん | 23町 合計330 |
トップ15 | 多く登場する町名 |
ユニークな町 | 1作品のみの町 |
街道、江戸の通、道 | 道、街道情報 |
地方の地名 | 出身地その他情報 |