江戸市井作品では川・掘割やそこに架かる橋が重要な役割をしている作品が少なからず存在します。『橋ものがたり』等はその典型ですが、どんな川や橋が登場するのか整理してみました。
海坂藩作品は、ほとんど架空の川・橋でしたが、江戸市井作品では原則として、全て江戸時代に実在した(現在も残っている)ものが登場しています。実在の判断は『江戸切絵図にひろがる 藤沢周平の世界』を参考にしました。
海坂藩作品では五間川以外は、ほとんどの川がひとつの作品のみに登場し、非常にユニークで、よくぞ考えたものだと感心しましたが、江戸市井作品では実在のものですので、かなりの川が複数の作品に登場しといます。
海坂藩作品では、橋の数は余り多くなく、整理対象としませんでしたが、江戸市井作品では、実在の橋を巧みに沢山登場させ、橋にまつわる作品が多く存在することはファンの皆さんもご存知のことです。
その数、川・掘割で凡そ50程、橋はなんと110余り登場します。物語の中に登場する町や地名と矛盾せず、且つ巧みに川・橋を生かす作品にあらためて驚きを感じています。ここでも『亥の堀川』『亥ノ堀川』、『中之橋』『中ノ橋』のように『の、ノ、之』等が混在している場合がありますが、同一と判断できる場合はひとつのものとして扱い、多いと思われる文字に修正をしています。これらも時代によって表現する文字が異なっていたのかも知れません・・・。
作品から見た川・橋の詳細な情報は江戸市井作品の町並みを参照してください。用心棒シリーズが最も多く35の橋が登場します。
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